東日本大震災の発生前後に親族が死亡した被災者は、財産を相続するか放棄するかを考える「熟慮期間」が11月30日まで延長されています。ただし、期限までに家庭裁判所で手続きしなければマイナス財産を相続することもありえるので要注意です。
熟慮期間は本来3カ月ですが、「震災に伴う民法の特例法」が制定されたことで、被災者は特例として期限に猶予が設けられています。
延長の対象となるのは、今年3月11日時点で東日本大震災の災害救助法が適用された市町村(東京都の区域除く)に住所があり、平成22年12月11日以降に自己のために相続の開始があったことを知った人とされています。これは相続人の要件ですので、被相続人の当時の住所や被相続人が被災者であるか否かは関係ありません。なぜならこの特例法は、被災による生活の混乱で相続放棄や熟慮期間伸長の申し立てが難しくなっている被災者を考慮して設けられたものだからです。
該当する被災者で相続放棄を考える人は、期限内に家庭裁判所へ「相続放棄」や「熟慮期間の伸長」の申し立てをします。その際、申述書、申述する人の戸籍謄本、被相続人の住民票除票または戸籍の附票、被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本などが必要です。また、3月11日当時の相続人の住所が分かる資料が求められることもあります。
復興もいまだ進んでいませんが、相続は大きな問題ですので、熟慮期間が過ぎてしまって、思いもよらない借金などのマイナス財産を相続してしまうということがないように慎重な検討が必要です。
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