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IT企業の方に向けてこれまで、
受注制作案件の場合の税務上の取り扱いや、
ダウンロードするアプリケーション等の市場販売目的ソフトウェアの取扱につき
まとめましたが、今回は自社でシステムなどを開発し、
収益獲得や費用削減を行う場合の自社利用ソフトウェアについて取り上げます。
【 関連記事:ITにおける受注案件や保守契約の取り扱い 】
自社利用ソフトウェアとその税務上の取り扱い
自社利用のソフトウェアは将来の収益獲得または費用削減が確実な場合、
その制作に係る費用を資産に計上することとなり、不確実な場合は費用処理することとなります。
発生する費用をどの時点から資産計上することが可能であるかは明確ではないため、
立証する証憑の存在が重要となります。
資産計上開始時を立証する証憑には、
事業計画、制作予算の稟議書、管理台帳など、終了時点については、
作業完了報告書や最終テスト報告書などがあげられます。
外部からソフトウェアを購入し、導入する際に発生する費用については
取得原価に含めるものと費用処理するものがあります。
【取得原価にするものと費用処理するもの】
取得原価に算入するもの・・・ソフトウェア導入にあたり必要な設定作業にかかる費用。
自社仕様に合わせるために行う修正作業費用。
費用処理するもの・・・旧システムのデータを新システムにコンバートするための費用。
ソフトウェアの操作をトレーニングするための費用。
資産計上した場合には、どのように経費化するのか
自社利用ソフトウェアの耐用年数は、原則5年になります。
またその場合の減価償却の方法は、
無形固定資産になりますので定額法で減価償却(経費化)を行います。
例えば、自社利用ソフトウェアの開発に100万円かかった場合には、
100万円 ÷ 5 =20万円 ずつを毎年経費化していくことになります。
この減価償却・経費化のスピードが実際のITの技術革新のスピードと離れているので、
こんなに遅い経費化では実際のソフトウェアからの収益とアンバランスということも
実際に現場では起こりえます。
→ 【 関連記事:中古車と中古ソフトウェアの耐用年数はなぜ違う? 】
自社利用ソフトウェアから収益獲得または将来の費用削減が不確実な場合
それでは、ITの技術革新が進み自社利用ソフトウェアが使い物にならなくなった場合には、
どうすべきでしょうか?
税務上の取り扱いは、
将来の収益獲得または費用削減が認められないことが明らかな場合には、
費用計上が可能となります。
つまり、時代遅れになってしまって、
売上が上がらないのが明らか、コスト削減効果がなくなったといった場合には、
ソフトウェアを除却(スクラップ)し、減価償却で複数年で経費にするのではかく、
将来の収益獲得または費用削減が認められないことが確実になった時点で
除却(残っている価値を一括して経費化する)を行うことも選択肢として挙がります。
もちろん、将来の税務調査に備えて、
説明資料や根拠資料をしっかり用意しておくことが前提になります。
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